工程:黒部ダム

黒部ダム完成までの工程

黒部ダムの完成は当初昭和38年と予定されていましたが、この完成予定までの工程は関西電力にとっては絶対に遅れてはいけないという危機感があったようです。それは何故かというと、黒部ダム建設の工期が7年以上になってしまった場合、これまでの電力需要の伸びから考えてみても、もしかすると大阪が停電になってしまうかもしれないという危険性があったからだと言われています。

ダムを建設する上での工程で一番時間がかかるとされていたところは、ダムの工事ということだったそうです。途中までは順調に行っていたのだと思いますが、大町トンネル内での大破砕体との遭遇によりこれを貫通させるために7ヶ月もの期間を費やしたことで、後工程での苦闘が強いられることになったようです。何故なら、トンネル貫通時点で既に工期が1年遅れていたからだったからだそうです。

ですから、工事を施工する側から出された挽回策としてダム基礎掘削を「大発破」するという方法であったと言います。
詳しいことはここで書いてもよく分かりませんがかなりの重機械類を投入して実施され、結果的にはわずか1ヶ月遅れまで工期を取り戻したようです。

これによって大阪が停電すると言う自体は免れた訳ですが、工事と言うのは何が起こって障害になるか分かりませんよね。費用や人材の問題もあるとは思うのですが余裕を持った工事ができるような時代がくればこういった問題は起こらずに済むのかもしれませんね。